◆思い出のコンテッサ
北海道旭川市
過去記事からの再編集記事。
旭川で暮していたころ、よく通った喫茶コンテッサ。
果物屋の二階にあり、階段をあがり、左手に入口があった。
店内に入ると真正面の一番奥に靴下の足だけが見えている。
その席は客席ではあるものの、マスターがひまなときに携帯ラジオで寝っ転がってボーっとするための場所だった。
入ってきたぼくに気が付かず、左右の足をこすり合わせたり、組み替えたり、
寝っ転がって新聞を読んでいるようだ。
椅子のひじ掛けにあげているのか、足と新聞だけが見えている。
「あ。いらしやい。」
ゆっくりとしたスピードでどっこらしょいと起き上がって、飲み物をつくりにカウンターへ向かった。
コンテッサはもう店を閉じてしまった。
マスターは今も家で寝っ転がってラジオを聴いているのだろうか。
廃業した様子。
果物屋もやっていなかった。