純喫茶 ロザリオ
東京都千代田区神田神保町1-13 地下
(2011年に閉店)
神保町、すずらん通りに浮かぶ一隻の船。
それが『純喫茶 ロザリオ』さん。
海が映ったような鮮やかな青い壁。
『船』をイメージした丸い窓。イカリの形の窓。そして舵の形の看板。
赤いドアをギギッと開けて、地下の「船内」へ。
船底の店へ。
必ず長居してしまう楽しい原因は昭和50年からやっている店主さんとの尽きないお話。
(ロザリオという店名は前オーナーが名づけています。)
喫茶店 店主さんとの会話はどこでも楽しいけれど、ここの店主さんから聞く今昔物語はいつまでも忘れられない宝物。
たとえばこんなふうに。
・・・・・芸者といえばね、こんな思いでもあるの。
お風呂は当時は銭湯に入りに行くでしょう。
子供だった私たちは、行く時間を決めていたのよ。
それはね、芸者さんたちが来る時間に合わせるからなの。
芸者さんが湯船に浸かると、体に塗っていた「練り白粉」がお湯の表面に輪になって浮くの。
ぷわーーって。
私たちはその輪を自分の体につけて、脱衣所に行って拭かないで乾くまで待つの。
そうしたらねぇ、体からいい匂いが出るのよ。