苫小牧市。
今日は苫小牧の工場の景色が綺麗だった。
高い煙突などを見ていると、銭湯に行きたくなった。
そういうところが自分の変なところだ。
 
 
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■大黒湯


ちょっと遠いが、「松の湯」に行こう、と思っていた。
ところが、通りがかった「大黒湯」が営業している。二度行ってやっていなかった古そうな銭湯だ。
ガラガラと引き戸を開けると、銭湯の湯の匂いに包まれ、番台に元気そうな女性のご老人が。
鶴と亀のおめでたいゲタ箱に靴をしまい、420円をポケットから取り出し、使い込まれた番台にのせる。



 
「そこにカゴありますから。」
「窓側のがぬるい方ですから」

いろいろ教えてくれる。
テレビもなく、静かな脱衣所。牛乳など飲み物の販売もない。
テレビがないが、番台の正面にテレビ台はある。アナログ停波にともない撤去されたのだろうか。


 
大きな籐カゴに服を脱ぎ、浴室へ。
 
なんともショウワな雰囲気だ。
男女の浴室両方を照らす蛍光灯は、工業系デザインで、鉄脚が渋い。
弾丸のようなフレームに蛍光管がはまっている。


浴槽は三つ。
一番大きな浴槽は、相当リッパなライオンの口からお湯が勢いよく落ちている。
 
いざご入浴シーン。 が、しかし。
熱っちい。銭湯は熱めの傾向があるけどこれはかなり熱い。
そして「窓側のがぬるい方ですから」という番台のアドバイスを思い出した。
ところがこちらも熱いときたもんだ。
眉間にしわを寄せ、足だけ入れて我慢。
気がつくと、浸かっていた足はゆでダコのように赤くなっている。
うーむ。
それでも気合でなんとか肩までいった。
ここの客は皆へっちゃらなんだろうか。

 
まもなく、客が来た。
あとで年を聞いたが60歳の常連客。
浴槽は浸かりながら脱衣所が見渡せるのだが、そのオジサンはパンツ姿になったところで、豪快にもそのまま外に出て行ってしまった。
タオルを車に忘れていたようだ。

 
さて、熱い湯でもその常連客はザブーンと入るだろうと期待していたのだが、ライオンの浴槽に足を入れるとびっくりしたように引っ込めている。
しばらく浴槽に腰掛け、戸惑い気味に思案しているようだった。

なーんだ、常連も熱いのか。
 
 

浴槽の壁にはタイル絵がある。
小さなタイルでつくられた幅1.5mほどの魚の絵。
3匹の真っ赤な金魚と一匹の黒い魚。金魚鉢の中のような絵だ。
 
 
 
番台の御かみさんの話によると、この大黒湯は、大正時代からあった銭湯を昭和8年に購入し、昭和10年から建物を治し治し営業している。自分は二代目だが、息子は継がないのでこれで終わりだと語る。浴槽の白いタイルと魚の絵は53年前に貼ったものだが一度も剥がれていないという。
そして、女風呂は蝶々の絵があるらしい。
 
 
また客が来た。
オカミ「晩御飯はすんだの?」
客「ああ、カレーだ」
オカミ「あらすごい、それはおいしかったでしょう」
 
 
この時代、みんな風呂くらい家にあるだろうに。
しかもここは湯が熱いのに。
でも、この人と話していると、なんだか温かくて胸の中がちょうどいい湯加減になるのだった。
 
 
 
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■松の湯

もちろん、松の湯も苫小牧の最古クラスの銭湯だ。



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