近代茶房(COFFEE SALON) 紫烟荘(しえんそう)
北海道札幌市中央区南3条西4丁目
実はここ、うちの父が初めて利用した喫茶店。
店は札幌市の「千秋庵本店の斜め前くらいにあった」とのこと(父談)で、
住所としては中央区南3条西4、現在のシルバービルにあたるのではないかと思います。当時は一軒家の喫茶店でした。
昭和7年(1932)に開店、昭和44年(1969)に閉店した昭和前期の喫茶店。
父が最初に入ったのは昭和19年(1944)です。
当時15才の父はこの小さな喫茶店に入り、はじめてコーヒーというものを飲みましたが、砂糖もなく、「すごく苦かった」そうです。値段は一杯「10銭だったか20銭だったか・・・70年以上昔のことなので覚えていないがそれぐらい」とのこと。
この喫茶店は、『白痴』という黒澤映画で見ることができます。
ぼくはDVDを持っているので、数年に一度くらい見ます。
白痴
監督 黒澤明
脚本 久板栄二郎 黒澤明
原作 フョードル・ドストエフスキー
1951年 松竹
この映画は当時(1950年代)の札幌市の街並みが登場するので、非常に貴重。
札幌市という街が好きな人や、昭和の札幌市に興味がある人は必見です。
当時の狸小路、札幌駅、駅前通り、SLや市電など、現在の姿からは想像もできない景色が各シーンでチラチラと挟まり、目が釘付け。
後援には札幌観光協会
三代目札幌駅(明治41年~昭和26年)。
戦時中は「旅行の絶対自粛」「必勝 輸送の確保」という大きな看板が壁に貼られました。
原節子さん。建物もカッコイイ。
狸小路。まだアーケードはないけど、スズラン燈が人気でした。
こちらが紫烟荘。
このウェイトレスさんは本物?
この映画、全体的に非常に重苦しい空気感と札幌市の猛吹雪が印象的なのですが、
動画で当時の市内を見れるのはやはり魅力ですよ。