工藤陶器店
北海道旭川市8条通7丁目右10号
先日旭川を訪問したときに知ってしまった工藤さんの閉店。
ついにこの時が来てしまった.........。
実際にはすでに二年ほど経過しているそうですが。
場所は「買い物公園」のどんけつ。
夜遅い時間だったけど、工藤さんの建物から見慣れた看板がなくなっていることに気づいたんです。
窓も暗く、空家っぽい雰囲気を感じざるをえません。
工藤陶器店さんはぼくの家から徒歩3~5分のところにあったので、
日常生活に使うご飯茶碗や箸、水差しなどはここで揃えていました。
どれもこれも本当に可愛い・美しい茶碗ばかりで、まだ割れていないのに追加で別の絵柄の湯のみ茶碗を買ったり、個人的にお世話になっていたのです。
おかげで部屋に「茶碗コレクションコーナー」が出来上がりました。
工藤陶器店は今から遡ること93年、1924年(大正13年)からここで創業。
シャモニーオリンピック(第1回冬季オリンピック)の年です。
現在のご主人 工藤祐次さんは二代目で、先代が昔大量に仕入れた在庫などを倉庫から運んで店頭に並べ販売していました。
現在のご主人 工藤祐次さんは二代目で、先代が昔大量に仕入れた在庫などを倉庫から運んで店頭に並べ販売していました。
つまり骨董品というかビンテージの当時物の「新品(デッドストック)」を大量に確保していた店で、2010年あたりには「新品の古物を安く売ってる店」として紹介され、札幌の骨董屋なども買い付けにくるなど、一時期賑わったことを覚えています(ぼくが欲しいものは買ってしまった後だったので良かったです.....)。
二代目のご夫婦はたいへんまじめで、値段も非常に安く、朝7時すぎから店を開けており、なのでぼくもたいした用事もないのに顔を見に店に入ったりお邪魔していました。
それでは、昔撮ったお店の写真が手元に残っていたので、懐かしんでみます。
店舗正面(撮影2008年4月)
ものすごく年季を感じます
まるで美術品のよう
どれも安いんです。ついついまたひとつ・・・
ぼくの好みをご夫婦で探してくれます
茶碗を重ねているこの木製什器は、工藤さんオリジナル。
その構造・たたずまいは非常に魅力的です。
「この什器を売ってほしい」と骨董屋などから聞かれるそうですが「手放したらだめですよ」とぼくは言い続けていました。
くずれ落ちそうで落ちない。ちょっとした地震にも耐えられます。
「もうまともに歩けない。私なんか片足墓に入ってますよ。」と笑うご主人。
なーーに言ってんの、と奥さま。
モデルになっていただきました。
おふたりとも元気なら嬉しいなぁ。
工藤陶器店さんとの思い出でした。
ところで、隣にはアサヒ帽子という可愛い帽子屋があったんです。
昔は陶器店→帽子屋→食堂→駄菓子屋という並びで店舗が連なっていました。
ところが更地に........
密着していた屋根の形がそのまま残っています
空き地が寂しい
おわり。