札幌仙人
はじめてここを知ったのは、平成19年だった。
「これは・・・。」
超個性的なメッセージと職人魂が溢れていそうな店舗のたたずまいの混在に錯乱しかけたものの、こういうところはもともと大好き!な性格の私。
ガラガラ・・・。
ためらい15%、わくわく85%の気持ちですでにドアを開けていた。
さて今回はそんな鍵屋さんにご挨拶に伺った。
写真を見て「ここ知ってる。怖くて入ったことない」という人もいると思います。
それは個性的な表現をする店主なので仕方ないですが、実際はとっても紳士でユニークなんですよ。
通常は正面の扉から入店するのだが、力を入れてもウンともスンとも動かない。
当惑しているとこの「ご案内」に気が付いた。
窓に「仮玄関」との貼り紙。
窓の下は雪が高くなっていて入りやすそう。
そうかここから入店するんだな、と理解しガラガラ.....と。やはり開いた。へへっ、なんだかコソ泥みたい。
店内に入ったけど誰もいないようなので、奥まで届く声で先生を呼んだ。
まもなくご主人が出てきてくれた。
ご主人はここに住んで30年。
職業は鍵屋で、でも本業は「シルバー・バーチ」の実践。
シルバー・バーチ(Silver birch)については実はぼくはきちんと理解できていないけど
、国籍不明の最高レベルの霊(意識)の名前で、三千年前に実在したインディアンの身体を霊媒、つまりインターフェイスとして使用し、さまざまなメッセージを交信する存在。
宗教のようでもあるが、違うような気がする。
宗教のようでもあるが、違うような気がする。
バシャールらとのチャネリングのように、神でもあり何千年も前から存在する高い霊性の存在への信仰・交信する活動なのだと思う。
シルバー・バーチは教会のような施設は持たず、お布施のようなものも求めないんで
収入は無い。なのでご主人の話では、信仰する者は生活するための職業を必然的に持つことになっているそう。
つまりご主人の場合は本業は神と言ってよい存在との交信と霊力によるガンなどの治療で人々に貢献すること。生活は鍵屋というわけ。
ぼくはシルバー・バーチについてよくわからないけど、不思議な世界なんです。
こういう貼り紙を見るととっても怖いおじさんに思えますが、実際に会うと
話が楽しい気さくな方なので念のため!
このパネルは下で紹介するオリジナルスピーカーの宣伝です
そうです。ご主人は超絶技巧の鍵屋でありますが、オリジナルスピーカー製作者でもあるんです。音は波動ですからシルバーバーチとも通じるものがあるのでしょうか。
ちなみにこれは金庫を改造したもの。いい音で鳴っています。
さすがに鉄だとスピーカーの箱が共振して音が濁る心配もないですね。
これは机なんですが、ちょうど座って足を入れる空間がスピーカーに改造されています。スピーカーユニットはご主人が持っている反響板に反射し、前方に勢いよくでてくる仕掛け。ご主人の特許と言ってよいでしょう。
この机は余計な共振があるらしくまだまだ改良の余地があるとのことです。
これは何とバイオリン。もちろんご主人のオリジナル設計です。
通常のバイオリンは表板に「f字孔」と呼ばれる穴があいているんですが、
写真のとおり裏板に二個の円い穴が開いています。
スピーカーではバスレフ型のような構造なのですが、この板が高いらしく開発は休止。
クーラーボックスを利用したスピーカー。
天井から延びるのは雨漏り対策です。
こっちはアイスクリームの空容器を再利用したオリジナルスピーカーなんです。
ご主人はデザイナーとしても優秀です。
数年おきにリニューアルするオリジナル看板はレイアウトや配色など細部まで熟慮されて出来上がる。
このマイクの役割は聞くの忘れました。
もしかするとぼくの呼ぶ声もこのマイクが拾ってくれていたのかしら?
懐かしい雰囲気の車のキー。
右の看板のデザインもシンプルながらインパクトもあります。
すべてご主人が考えています。
コピーライター的才能もあり、「他店涙ぐむ」。
目指すは140歳を超え、巷の仙人になってさらに世間に役立つことです。
一日一食なのに顔のつやも肌の張りも良く、話が面白く、なかなか巡り逢えないタイプの素敵な個性の方なんですよ。
<翌年の訪問記>
ところで札幌仙人という言葉を書いていて思い出しましたが
オリジナルを発明する人といえばこの方も思い出します。
スナックサンゴのマスター。ぼくの中では東京仙人。
詳しくは数ページにも渡る2012年のレポートをご覧ください。
そしてここのマスターも思いだします。喫茶五重の塔のマスター、岐阜仙人。
ぼくも仙人を目指したいと思いマス。