猫と95歳ママさんのいる喫茶店、喫茶悦。
北海道登別市中央町2丁目6
この喫茶は、すぐ近くに大きくて目立つ喫茶があるせいか、逆に喫茶愛好者にさえ気づいてもらえない。
非常にひっそりと、でもちゃんと営業している、しかも年中無休。
オープンは昭和44年の大ベテランの喫茶で、ママさんはなんと今95歳。
ぼくが知る限り国内で現役最高齢ママさんなのである(二年前まで福井の喫茶古城のママさんが96歳だったと思うが現在は廃業)。
非常にひっそりと、でもちゃんと営業している、しかも年中無休。
オープンは昭和44年の大ベテランの喫茶で、ママさんはなんと今95歳。
ぼくが知る限り国内で現役最高齢ママさんなのである(二年前まで福井の喫茶古城のママさんが96歳だったと思うが現在は廃業)。
これ以上劣化もしないだろうというほどオンボロの路上看板を見ながら店のドアを開ける。
そこには夢か現実かわからないような唯一の空間、時間が待っている。
そこには夢か現実かわからないような唯一の空間、時間が待っている。
一般的な感覚だと、汚い、ボロい、ちらかってる。そう感じる人は多いだろう。
でもぼくには長い長い時間や人々のドラマが無数に重なり合った地層のような風景で魅力しか感じない。
ほこりだらけのゲームテーブル、くたびれたチェア、手押し車、古新聞、造花などが無造作に置かれている。
あらゆるモノを成り行きに放置している感覚も好きだし、ママさんの体力では例え片付けたくてもできない現実だってある。
店内はもはやおばあちゃんの茶の間。
『喫茶』という営業看板は不思議なもので、これがあるからこうして赤の他人の僕が独居老人の部屋でまったり過ごすことができる。
『喫茶』という営業看板は不思議なもので、これがあるからこうして赤の他人の僕が独居老人の部屋でまったり過ごすことができる。
部屋中雑然としているが、よく見ると当時非常に凝って店内を作ったのだろう。
壁に固定され絵が描かれた丸い照明器具、棚下部のガラス仕様、チェアの立体的な模様、今まで見たことのない天井の壁紙の模様。
高級喫茶だと感じざるを得ない。
サイフォン用器具が三器置いてあるが、現在は高齢のためコーヒーも淹れることはできない。
そして厚さを感じるほどの埃にまみれた酒の瓶があちこちに。
現役の喫茶だからもちろん誰でも入店できるが、お客はもっぱら常連で、この日もご一緒だった。
常連さんも80歳なんて軽く超えている。
コカコーラの瓶を開けてもらい、手作り料理などで一服。
雑談が楽しい。こんなに幸せで良いのだろうか。
常連さんも80歳なんて軽く超えている。
コカコーラの瓶を開けてもらい、手作り料理などで一服。
雑談が楽しい。こんなに幸せで良いのだろうか。
ママさんは年老いた三本脚の猫と二人で寄り添うように暮らしている。
猫のことを少し書くと、いつからか三本脚になったが自由自在に店内を移動できる。
高齢のため食欲もないので、ママに抱かれて休むのが何よりも好き。
何度も手をのばして「抱っこして」と催促するが、ママも高齢だから気が付くと目を閉じて一人で寝てしまう。
皆と話をしている途中もいつの間にか寝てしまった。
ママが目覚めるとネコちゃんはしばらく抱かれ、最高に落ち着いた表情で眠っていた。
ぼくの家から近くはないので頻繁には来れないこと。
この先間もなく閉店するであろうこと。
独居老人のママと猫が心配なこと。
店が素晴らしいこと。
いろんな感情がぐちゃぐちゃになって泣きたくなっている自分を感じ取りながら楽しく笑って時がただ過ぎていく。
なんだか切ない。
ストーブがあったかいなぁ。
※店名、所在はママの意向により伏せさせていただきます。



とても美しい。

客用というよりはもはやおばあちゃんの茶の間である。
ぼくが座るのもここになっている。




味がありすぎるメニューだが、現在は高齢のためコーヒーも出せない。

この店でしか見たことのない天井の壁紙の柄。

厚さを感じるほどの埃がついた酒の瓶。サイフォン用器具が三器置いてある。

石の天板にガラス製の壁。すごい。

ママさんの手書き電話帳(個人情報のためブログではぼかし加工しています)

この日も常連さんとご一緒した。常連さんも80歳を軽く超えている。



「抱っこ」をおねだり

寝ちゃった



チェアの立体的な模様

子供の猫がふらっと遊びに来た。

