みなさんこんちは。
今日は喫茶店の話じゃないので興味のない方はスルーしてください。
たまたま手に入れた昭和45年のムックリ。

「ムックリ」という楽器をご存知でしょうか。
北海道の人なら認知度はちょっと高いかも??
ムックリとはアイヌ(アイノ)の口琴の一種で、竹でつくられており、喉を閉じるような感覚などで口腔内を変化させ、多様な倍音を奏で、情景や心象を表現します。
名前は一般的にムックリと呼ばれますが、広範囲ではムックル(ルは小さく表記)、ムックナ、ムクニ、ムフクン、ムフクナなどと地域で呼ばれることもあるようです。
また、植物の葉でムックリと似たマタチムフクンという草ムックリのようなものもあります。
当時の北海道には太い竹は自生していなかったので、ノリウツギ(サビタ)や根曲がり竹で作っていたためもともとは細くて少し丸まった形でしたが、本州から真竹や孟宗竹が入るようになると、そっちのほうが音が良く響くし、直径が太いためほぼ平面なムックリを作ることができるので今ではムックリは本州の竹で作られています。
ぼくは小学校の修学旅行でこのムックリを初めて目撃しいたく感銘を受けました。
金属製の「口琴」に比べ演奏がやや難しいことが魅力のひとつ。
<ムツクリを持つ女性(アイヌ・ピリカメノコ)>

白老のアイヌ民族博物館に展示中の樺太アイヌの鉄製のカニムックリ。
ザリガニの神様との関連で付けられた名称。
江戸時代に流行したびやぼんによく似ているが、ロシア圏の口琴なのかもね。

白老のアイヌ民族博物館の入場者はもれなく、チセという家の中で伝統舞踊やムックリの演奏を楽しめます。
天井には本物の鮭の燻製。
サチェップと呼ばれ、煙でいぶされた鮭で、普通のトバよりさらにおいしい。


博物館入口付近

2020年に大規模にリニューアルされ、非常に立派な施設となる。
いまは整地の最中だ。

ムックリを作るのはできるだけ太い竹を用意します。
しての写真は100年以上昔の竹。
煤竹(ススタケ)は、ムックリを作るのに適した太いタイプは非常に少なく、あったとしても一本数万円と高価で僕は手が届かないんだけど、穴がいくつも開いたり、割れたりしているキズ物ということで少しは安く入手できました。
煤竹(ススタケ)は、ムックリを作るのに適した太いタイプは非常に少なく、あったとしても一本数万円と高価で僕は手が届かないんだけど、穴がいくつも開いたり、割れたりしているキズ物ということで少しは安く入手できました。
穴はよけて切り出せば問題ないです。
それに、中途半端な長さで切り残しがでるけれど、それはムックリの持ち手の棒にするので隅々活用できるのです。
それにラッキーなことにこの竹は肉薄。
肉厚だと薄くするための重労働が必須作業となるので大変なんですよね。
それに、中途半端な長さで切り残しがでるけれど、それはムックリの持ち手の棒にするので隅々活用できるのです。
それにラッキーなことにこの竹は肉薄。
肉厚だと薄くするための重労働が必須作業となるので大変なんですよね。

ムックリをつくるには十分時間をかけた乾燥させた竹を細かく切って
油で揚げます

揚げたて

以下は見よう見まねでぼくが手作りしたムックリ。どれもとても鳴る。
とても時間がかかるので作る過程も楽しめるように気の向くままデザイン。

いろいろ作った

2017.12(今月)作ったもの。

これは先週

これは最近三日間(12/27-29)自作分

アイヌ模様をヒントにしたりします

これで作ると・・・

↓ こうなった

いろんなタイプをつくるのも楽しみのひとつ


背中かきや孫の手、竹定規などからも作れます



こうやって持ち運んだり・・・

フクロウ(エタンコロカムイ)の羽をつけたり、透かし(?)を入れたり

わざと古風なものも作り楽しみます



上から二番目は市販のもの

ところでこれは2009年に知らない人から自宅に届いた竹一式。
8年以上経ちエージング十分なので来年はムックリに仕上げる予定。

昭和30年代のもの。小型で、湾曲しているので北海道の竹か。

鹿のツノで作られたもの

歴史的なムックリ奏者の故・安東ウメコさん愛用のムックリ。
本人と親交があったとはいえ、「これあげるよ」と渡された時の感動は忘れられない。宝物だ。

昭和30年代の絵ハガキ

みんな、ムックリやろうよ。
