喫茶
KING5
札幌市中央区南4条東2丁目16







ネパール、カトマンドゥの朝。
起床し、ベランダで笛を吹く。
しばらくすると隣の部屋のベランダに女性があらわれ、にこにことこっちを見ている。
インドのIT企業で働いているという日本人。
飛び込みで現地採用してもらったという。
インドからバスで国境を越えてロングバケーションに来た。
宿泊先の安宿の庭で「チャイ」を注文。
5杯ほど飲めそうな大き目のポットがテーブルに置かれた。
その女子とぼそぼそと話しながら何の制約もない朝を庭で過ごす。
腹が減ってきた。
『ふる里』に行こうということになった。
タメル地区でネパール人がやっている日本食の食堂だ。
ネパール滞在中は停電が頻発する国なのでほとんどネットも見ず、日本のニュースを知る機会はない。そんな中、日本食レストランには数日遅れて日本から新聞が届く。
まず紙面には大きく『新型インフル WHO、警戒度5に引き上げ』と書かれていた。
しかしそれより、小さなほうの記事を見たとたん、頭の中が割れた。
「RCサクセション忌野清志郎さん死去」。
なんてことない朝だった。あの新聞を開くまでは。
敬愛するミュージシャンの訃報って、こんなふうにいつも突然やってくるんだ。
札幌市、喫茶 『KING5』。
ここでコーヒーを飲んでいると70年代の彼の歌声が耳の奥で鳴り始める。
理由はわからない。
大きな青いテント。
古びているが整理整頓されて綺麗な店内。
素敵な模様の壁紙。
店の名は、キングコーヒーを使用していることに由来している。
その後のKING5
(1970年代のRCサクセション)
「ぼくの自転車のうしろに乗りなよ」 忌野清志郎

