珈琲・雑煮 喫茶マコ
東京都中央区築地4-9-7中富ビル 二階



築地で最も虜になった喫茶店。
看板に誘われ入ったのは、中富ビルという相当古い雰囲気のビル。
こんなところに喫茶があるのか、と思うなかれ。こういう場所だからこそ最高の喫茶があるものなのだ、宝石だって原石こそ外観は地味だが中で美しく輝いているのだ、などと自分に言い聞かせ二階へ。
すると、ルビーのような昭和魅力の赤透明ドアが目に飛び込んだ。
迷いなどあるはずもない。ごめんください。
ああ、いいなここ。ほんとにいい。
ドアだけじゃなくて、なんだかトータルな感じで居心地良し。
イチバの喧騒が嘘のように静寂で、隠れ家というか、別の土地に来たかのようだ。
そして、この力強いメニュー。
雑煮。みつ豆。スタミナジュース。
マコママの存在感が抜群。
赤いドアは50年も使っているそうだ。
丈夫と言われ、金具には高価なフランス製のものにした。
以後、何千人もの客が開閉したドアの金具は、30年間働いて、ママ曰く「刺身が切れるほど」鋭く擦り減っていた。
「このドアは神様だよ。」 そう呟いたママが私には神様に見えた。東京の街で一番記憶に残った言葉だと思う。
なお、赤いドアはガラスではなく、厚めのプラスチック製。
ガラスだと開閉の繰り返しで割れるから、50年前はガラスよりずっと高価なプラスチックにしたということだ。


道具ひとつひとつがこの店の住人。

端正なチェアには清潔な白いカバーがかけられていた。

チェア下部は直角三角形のようでユニークな形状。

木の四つ足。


みつ豆とスタミナジュースを楽しむ。
名物は「とり雑煮」。


店を出るのが名残惜しく感じた。

マコのとなりの佇まい。

マコへの階段部分。

