天然果汁ヲ作ル店 マルス
東京都新宿区歌舞伎町2

まったくもって、大東京って奥深い。
新陳代謝が激しい大都市の、しかも歌舞伎町というスポット。
そこに経年した生ジュース喫茶が在り続ける。
店からほんのちょっと歩くと歌舞伎町を彷徨う人の洪水。
でも古びた店に入れば、まるで室蘭の喫茶ランプ城のような静けさと味わい。
今が旬だというメキシコの赤く大きな、特別なマンゴーをジュースにしていただいて、
他にお客はいなくて夜も更けていたので、ママさんが私のテーブルの横に座ってのんびりと話をお伺いすることができた。
ママさんは笑顔と口調がお優しい。
夜10時を過ぎていてお疲れなのか、生ジュースのようにとろりとしている。
場所柄、夜の営業とのことだが、23:00には閉めるのに、医者などの近所の馴染みの客は「ここのジュースを飲まなければ明日が持たない」って、閉店後もやってくることがあり、なかなか大変そうだ。
だから用事や風呂などは早い時間に済ませておくようである。
店の奥には巨大な銀色の冷蔵庫がある。
その扉を開け、宝石箱をのぞくように果物を眺め、メキシコのマンゴーを手にとってそっと私に見せてくれた。
BGMのない静かな、映画のシーンのような、天然トロリなひと時だった。
店内にはカラフルな果物たちがテーブルなどに広がり、看板も色とりどり、ママさんのお召し物も鮮やか。真っ黒な夜の歌舞伎町で、極彩色の時を過ごした。


















